とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

2021-05-13から1日間の記事一覧

乳児検診(3〜4ヶ月)

乳児健診 3〜4ヶ月編 はじめに 早産の場合ワクチンは出生日を基準に接種を行うが、成長・発達については出産予定日を基準に判断する。そのほかに新生児仮死や慢性肺疾患、未熟児網膜症の存在などが発達は成長に影響を及ぼすことがあるので確認する。 保護…

各種ワクチンの特徴とポイント(小児科)

麻疹・風疹(MR)ワクチン 麻疹ワクチンの副反応としては、発熱がもっとも多いものです。20-30%くらいの頻度で、接種後5~14日くらいにみられる。熱性けいれんの体質の方は事前に相談する。注意が必要。発疹(10~20%)も出ることがありますが、いずれ…

術前ヘパリン置換(ヘパリン化)の知識(内科医でも最低限知っておくべき内容)

ヘパリン置換とは何か 脳梗塞既往や心房細動などの患者は血液が固まって血栓症を起こしてしまうリスクが有る。そこで血液が固まらないように抗血小板薬や抗凝固薬などいわゆる血液をサラサラにする薬を服用していることが多い。 抗血小板薬や抗凝固薬を服用…

頭部MRI検査でT2スターを撮影することの意味

頭部MRIにおけるT2*(T2スター)撮影の意義 ◯T2スターは微小出血の検出に有用 T2強調画像とは多くの脳病変で敏感に高信号となるが、T2強調画像にはT2スター強調像、水強調画像など様々な撮像方法があり、鉄の見え方や実質のコントラストが変化する。T2スタ…

MRI検査での拡散強調画像での高信号の鑑別

拡散強調像高信号(ADC低信号)の鑑別 拡散強調で高信号(ADCで低信号)となるのは水分子の拡散制限がある状態。 脳梗塞超急性期などが代表的な例であるが、病態としては大きく分けて3通りある。 1,細胞性浮腫 2,粘稠度増加 3,細胞密度増加 1,細胞…

頭部MRIにおける慢性虚血性変化の意義(FLAIRで偶発的に見つかった慢性変化)

慢性虚血性変化とはなにか 頭部MRIでT2強調像やFLAIR画像で脳室周囲白質や深部皮質下白質に高信号病変を呈するものを大脳白質病変という(T1では軽度低信号)。原因は脳症血管病が基盤となっており慢性的な循環不全が持続することにより、脳卒中発症おける…

中枢性めまいに対する頭部MRIの意義(画像検査では脳梗塞は否定できないかもしれない)

中枢性めまいに対する頭部MRIの意義(画像検査では脳梗塞は否定できないかもしれない) めまい患者の対応でいちばん大事なのは脳血管障害による中枢性めまいなのか、それともBPPVや前庭神経炎などの末梢性めまいなのかの鑑別である。 神経診察が最も重要とい…

肺炎に対する血液培養検査の意義(陽性率の低さからみる適応)

肺炎に対する血液培養検査の意義(陽性率の低さから見る適応) はじめに 肺炎は一般的な感染症であり、発熱、呼吸不全を伴い場合によっては重症化、死にいたる疾患でもある。しかし市中肺炎に対して血液培養検査は行われる場合が多い反面、その陽性率は実臨…

SBT/ABPCよりCTRXが優れる点(BLNARを考える)

SBT/ABPCよりCTRXが優れる点 はじめに SBT/ABPC(スルバシリン/アンピシリンスルバクタム)は基本的にはCTRX(ロセフィン/セフトリアキソン)よりカバーする細菌は多い。嫌気性菌にも効くのがSBT/ABPC(スルバシリン/アンピシリンスルバクタム)である。しかし…

肺炎に対してCTを撮影する意義はあるか?

肺炎に対してCTを撮る意義はあるか? はじめに 肺炎診断に胸部CTは必須ではない。しかし臨床の場面によっては胸部CTを撮影しておく場面もあり、特にどのような場面で必要と考えるか。また肺炎が疑われる患者において胸部CTの適応は?ということに関して今回…

尿は検査について知識の整理

はじめに 神経内科、脳外科、精神科以外の診療科のドクターには馴染みが薄いと思われる脳波検査。しかし痙攣、高齢者のNCSE(非痙攣性てんかん重積)などの診断、検査としては必要となるだろう。今回は脳波検査に関する知識についてまとめる。脳波検査は通常…

シックデイについて これだけ

はじめに 糖尿病や副腎機能低下などを並存疾患にもつ患者は珍しくない。特に糖尿病患者は珍しくないが糖尿病治療薬は低血糖の副作用があり、シックデイ教育は非常に重要と言える。今回はシックデイについて解説する。 シックデイとは 糖尿病の治療中に発熱、…

メトホルミン製剤で乳酸アシドーシスになるメカニズム

はじめに ビグアナイド薬(一般名:メトホルミン、ブホルミン)で乳酸アシドーシスになる理由を解説する ■ビグアナイドの作用機序 ビグアナイドはAMPキナーゼ(AMPK)を活性化させる作用があり、AMPKが肝臓での糖新生の抑制を抑制している。つまり、ビグアナ…

インスリン製剤の違い 

はじめに インスリン製剤にはその効果の発現時間、持続時間からいくつか種類があり、速効型、超速効型、中間型、持効型インスリンなどと分けられる。今回はこれらの違いに関して解説する。 ・速効型、超速効型インスリン・・・インスリン追加分泌を補充 ・中…

糖尿病治療薬(内服)について

はじめに 経口血糖降下薬の種類は非常に多岐に渡る。一昔前にはSU剤が主流となっていたが、現在は複数の薬から内服薬を選択しなければならず、今回は内服薬の作用機序と使い分けについて解説する。 ■ 経口血糖降下薬の適応 糖尿病治療はまず食事療法・運動療…

糖尿病の目標血糖値

糖尿病患者の目標血糖値 http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_474C323031332D30322E706466を参考に。 ・良好な血糖コントロールは長期予後を改善する。 ・細小血管症(腎症、網膜症、神…

強化インスリン療法について

はじめに ◯強化インスリン療法とは 強化インスリン療法とは頻回のインスリン注射によって血糖変動を健常者に近づける方法。健常者の生理的なインスリン分泌は基礎分泌と追加分泌からなるが、強化インスリン療法では速効型インスリンと持効型インスリンを併用…

混合型インスリン製剤の使い方

はじめに 混合型インスリン製剤とは 糖尿病患者において経口血糖降下薬を何種類か併用しても血糖コントロールが難しい場合は生理的なインスリン分泌が低下していると考えられ、インスリン療法の適応となる。本来であれば基礎分泌と追加分泌を両方補うことの…

副腎クリーゼについての知識

はじめに 副腎クリーゼとは副腎機能が低下することにより鉱質コルチコイド、糖質コルチコイドが欠乏し、ショックに至る病態である。 【症状】 嘔吐、腹痛、発熱、、倦怠感、関節痛、食欲不振、意識障害などなど…。多様かつ非特異的な症状が見られる。これら…

高Ca血症への対応 これだけ

◯高カルシウム血症の評価、疫学 ・低アルブミン血症の場合は補正を行う。Ca補正値=Ca+(4-Alb) ・補正は必須であるが誤差が出るので正確な評価のためには血ガスによってイオン化Caの測定をする。イオン化Caの基準値は1-1.4a mmol/Lであるが大体8倍をしたら…

高尿酸血症への対応

はじめに 尿酸値は検診でも検査されることも多く、一般的な血液検査の一項目である。これが高い状態が続くと痛風を発症したり、尿酸結石を起こしたり痛い疾患が待っている。しかし、痛風がない場合の高尿酸血症の治療適応は限定的であり今回はどのような際に…

高K血症への対応 これだけ

はじめに 高カリウム血症をみたらどうするか?電解質異常の中でも特に不整脈の原因となったりするK異常はしっかりとした補正が必要。高K血症では迅速な対応が必要であるのに対して低KでもCVの挿入を検討したりその初動は患者さんの生命予後を左右するだろう…

DKA/HHSの初期対応

血糖異常高値への初期対応 救急外来に来た患者の採血で血糖が異常に高かった場合(300以上)、初期対応はどうするべきか。異常高血糖をきたす病態として重要なものとしては糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と高浸透圧高血糖症候群(HHS)がある。 ◯DKAとH…

SIADHについて まとめ

●SIADHとは SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)とは名前の通り抗利尿ホルモンであるバソプレシンが血漿浸透圧に対して不適切に分泌されることにより水分過剰貯留となってしまう症候群である。希釈性低ナトリウム血症を呈する。 原因は非常に多く覚えら…

低血糖発作への対応 まずはこれだけ

はじめに 内科当直をしているとかなり頻繁に遭遇する低血糖発作。多くは薬剤性の低血糖が多いが今回は低血糖発作の症状、原因、対応に関してまとめる。 低血糖患者は意識障害や痙攣患者の迅速血糖測定をして低血糖が見つかるというのは救急でよくある。血糖…

糖尿病でのインスリン開始のタイミング

インスリン療法の適応と導入について 糖尿病患者において、食事療法・運動療法をして血糖コントロールが不十分であれば経口血糖降下薬を開始し、それでも血糖がなかなか下がらない場合はインスリン導入となる。 (以下治療の一般的なフローチャート) 糖尿病…

甲状腺機能低下症に対する対応 まとめ

はじめに ホルモン異常はそれほど日常診療で出くわす場面は少ないと思われるが、その中で比較的頻度の多いものが甲状腺ホルモン異常である。今回はその中でも甲状腺機能低下症についての対応をまとめる。 ◯血液検査【甲状腺ホルモン系の解釈】 ・甲状腺ホル…

骨粗鬆症まとめ まずはこれだけ

◯骨粗鬆症の診断 骨密度測定では若年成人骨密度YAM(yong adult mean)の80%未満を骨量減少、YAMの70%未満を骨粗鬆症と定義する。また、椎体骨折や大腿骨近位部の脆弱性骨折があればYAM<80%で骨粗鬆症と診断される。 *骨密度測定では手(利き手でない方…

腰背部痛患者の鑑別診断

腰痛の原因、鑑別診断 【腰痛の赤信号】 痛み:激痛、夜間に痛みが強い、鎮痛薬が効かない 年齢:18歳以下、50歳以上 持続期間:6週間以上 既往歴:悪性腫瘍、最近の細菌感染症、免疫不全 症状:発熱、悪寒戦慄、寝汗、体重減少 機転:高エネルギー外傷、高…

不明熱の検査 (網羅的 すべてやるわけではない)

はじめに 不明熱とは日常診療でも出くわす場面があるが古典的不明熱という定義がある。今回は不明熱に出くわした時にどのような検査が候補として考えるべきか上げていく。しかしこれらの検査は想定すべき疾患がある上で行うべきであり、患者背景も考慮して必…