とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

救急科・当直

気管挿管の手順まとめ

挿管手技についてまとめ 挿管を確実に成功するための7ステップシミュレーション (*7ステップ シミュレーションとは医療手技において、それを実行するために必要なスキルを7つの順序に大別し1つ1つクリアしていき実践する方法。) 適応と禁忌を理解し…

失神(syncope)の対応について

はじめに 当直をしていると救急車収容依頼で少なからず経験する失神患者。今回は失神について定義や疾患別の頻度、対応方法などについてまとめることとする。 定義 脳の全体的な血流低下による急性発症で、短時間の自然に完全回復する一過性の意識消失。 一…

副腎クリーゼについての知識

はじめに 副腎クリーゼとは副腎機能が低下することにより鉱質コルチコイド、糖質コルチコイドが欠乏し、ショックに至る病態である。 【症状】 嘔吐、腹痛、発熱、、倦怠感、関節痛、食欲不振、意識障害などなど…。多様かつ非特異的な症状が見られる。これら…

高K血症への対応 これだけ

はじめに 高カリウム血症をみたらどうするか?電解質異常の中でも特に不整脈の原因となったりするK異常はしっかりとした補正が必要。高K血症では迅速な対応が必要であるのに対して低KでもCVの挿入を検討したりその初動は患者さんの生命予後を左右するだろう…

DKA/HHSの初期対応

血糖異常高値への初期対応 救急外来に来た患者の採血で血糖が異常に高かった場合(300以上)、初期対応はどうするべきか。異常高血糖をきたす病態として重要なものとしては糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と高浸透圧高血糖症候群(HHS)がある。 ◯DKAとH…

アニオンギャップとは 知らないでは恥ずかしい

アニオンギャップの計算とその意義 ◎アニオンギャップの式の導出 アニオンとは陰イオンのこと。ギャップとは差のこと。アニオンギャップとは陽イオンと陰イオンの差という意味で用いられる。 体内において陽イオンと陰イオンのそれぞれの合計は一緒。 陽イオ…

ARDSの診断基準

はじめに ARDSは肺炎などの感染症や重症外傷などによって高サイトカイン血症が生じることで血管透過性亢進によって引き起こされる肺水腫、高度の低酸素血症である。急激に進行する呼吸困難、胸部レントゲンで両側肺野全体のびまん性浸潤を呈することが多いと…

胆石に対する対応 まずはこれだけ 帰宅させるかどうか 薬剤治療の適応

はじめに 胆石は症状がなくても人間ドッグなどで偶発的に発見されることも多い。 症状がなければ基本的に無治療で経過観察としても良い。が、年間3%前後の確率で症状を発症する可能性があり、また胆嚢がん患者では高率で胆石を認めるので無症候性であって…