とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

更年期障害(冷え・のぼせ)に対する漢方薬処方

  • 良い適応となる状態

更年期障害には漢方薬は良い適応となる。血の道症の一つ。

処方前に押さえておくべきこと

・加味逍遙散の処方に呈している患者さんは問診票に山のように症状を列記している人が多い。(不定愁訴

・処方後に便通がつけば効果あり、下痢をすれば体力なしの漢方に進み便秘の改善がなければ桃核承気湯へ進む。

第一選択薬: 不定愁訴が多く便秘気味の人に使用する:加味逍遙散

第一選択薬が効かない時やそのほかの特徴的な症候を示している場合には?

体力中等度ないしそれ以上

→のぼせ・めまい・愁訴が固定:女神散

→のぼせ・肩こり・月経異常・瘀血あり:桂枝茯苓丸

体力あり

→のぼせ・便秘・イライラ強い・瘀血あり:桃核承気湯

→不眠・イライラ・のぼせ・便秘なし・瘀血なし:黄連解毒湯

体力なし

→のぼせ・口が苦い・胃腸悪い・便秘なし・加味逍遙散で消化器症状出現:柴胡桂枝湯

→のぼせ・動悸・気分が沈む・イライラ・便秘なし:桂枝加竜骨牡蛎

めまいが強い

→のぼせ・動悸・立ちくらみ・胃内停水:苓桂朮甘湯