とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

気管支喘息発作に対するテオフィリンの立ち位置

◯テオフィリンとは

テオフィリンはcAMPを増加させてプロテインキナーゼを活性化させることにより気管支平滑筋を拡張させる効果があり、気管支喘息COPDなどに有効とされている。気管支喘息に最初から投与することはないが、β刺激薬(メプチンなど)やステロイド点滴で効果が乏しい場合に考慮される。

◯メプチン吸入、ステロイド使用でも改善が乏しそうな状況で考慮

日本のガイドライン(JGL)では仕様が推奨されている。一方海外のGINAガイドラインでは発作時の使用は推奨されていない(副作用が多く敬遠されている)。

テオフィリンは理屈上は気管支を拡張してくれるはずであるが、点滴をしたところで発作による入院率やピークフローの優位な改善はないとの報告がある(byコクランレビュー)。また、テオフィリン点滴では不整脈や嘔吐といった副作用が優位に上昇するため総合的に考えたら使用しない方がよいというのがGINAガイドラインの結論。

しかし、現実的にはメプチン吸入・ステロイド点滴でも発作の改善が乏しい状況であれば使用されていることが多い。

◯ネオフィリン(250mg/A)®点滴の使い方

6mg/kg +生食250mlのうち最初の半量を15分で、残りの半量を45分で投与する。

ただし、テオフィリン内服患者では血中濃度が過度に上昇してしまうリスクがあるので気をつける。テオフィリン内服患者であれば全体量を最低でも半量にする。