小児科採血で気をつけるべきこと
小児の採血は大人と異なり次のような問題がある。
- 自制がきかず予測不能の動きをする
- 採血部位として選択される血管が成人より細い。
- 循環血液量が少ないため採血量に配慮がいる。
- 小児の中でも年齢に幅があり、各年齢層で方法を変える必要がある。
- 採血が心的外傷となる場合がある。
手技と方法
・手技を行う場所は処置室が望ましい(病室と疼痛を伴う処置を行う部屋は分けた方が良い)
・食べた後すぐに処置を行うことは避けるべきである。(処置中強く泣いて嘔吐することも多く誤嚥の危険)
・バスタオルなどで体幹と採血しない方の腕をくるんで固定。
静脈採血
・肘の曲側部もしくは手背
・肘は過度に進展すると逆に血管が触れにくくなるため適度に伸ばす
・シリンジが大きいと陰圧で血管が虚脱してしまう場合があるため5mlシリンジで採取
・アルコール綿で拭いた後、対側の指で血管を触れながらその約1cm手前より穿刺する
静脈採血・ポタポタ採血
・一般滴な静脈採血が難しい場合により末梢の指、手背、足背などの細い血管から採取する。
・23Gの注射針のみで末梢静脈を穿刺し、逆流してきた血液を採血管で受け止める
動脈採血
・採取部位は成人と同様で手首(橈骨動脈)か鼠蹊部(大腿動脈)など
足底採血
・新生児において毛細管のみで足りる程度の少量採血や静脈採血が難しい乳児で行われる
・利き手と反対の手で足のかかとを持って皮膚を進展させる
・穿刺部位はかかとの外側
・間歇的に絞ったり緩めたりして採血する。
研修医が陥りがちなピットフォール
・採血は1回で成功するとは限らないので微量採血管の予備を用意しておく。
・穿刺して逆流を確認した後針を持つ手は動かさない、もしくは離す。
・採血を失敗した場合どう部位からの採血はさらに失敗を生む可能性が高いため反対側に変える。もしくは手技者の変更を。