APGARスコアについて医学生向けにまとめてみた
はじめに
APGARスコアとは出生直後の新生児の健康状態を表す指標である。
APGARはその頭文字で覚えると良い。APGARの由来はその立案者の名前から来ている。
A: Appearance 皮膚色
P: Pulse 脈拍
G: Grimace (刺激に対する)反応
A: Activity 活動性
R: Respiration 呼吸
APGARスコア評価
0点 | 1点 | 2点 | ||
A: Appearance | 皮膚色 | 全身チアノーゼ | 四肢チアノーゼ | 全身ピンク |
P: Pulse | 脈拍 | なし | 100未満 | 100以上 |
G: Grimace | 反応 | 反応なし | 顔をしかめる | 強く泣く |
A: Activity | 活動性 | だらり | 少しだけ四肢動く | 活発に四肢動く |
R: Respiration | 呼吸 | なし | 弱い | 強い |
第2度仮死:0〜3点
第1度仮死:4〜6点
正常;7点以上
上記項目を1分後と5分後で評価する。
仮死の評価で死な(4、7点が境)ないと覚える。
おまけ
Apgarスコアは点数が高ければ高いほど生存率が高いがテキサス・サウスウェスタン大学の研究によれば13399人の早産時の死亡率はApgarスコアが3点以下で1000人中315人(31%)であったが、これに対してApgarスコアが7点以上の早産児の死亡は1000人中5人(0.5%)であったという研究がある。
113回 医師国家試験(F−59)
問題:出生5分後のAPGARスコアは何点か?
→この問題では1分後のAPGARスコアは計算できないようになっている。問題文から察するに5分後の状態は全身にチアノーゼ、心拍数140、呼吸数70、強い咳嗽反射(強い反応)、手足をバタバタ(活発に?)動かしている。という状態であると推察される。よってA0、P2、G2、A2、R2で合計8点が正解。
呼吸数は厳密には強い、弱いという分類であるが呼吸数が少なくなければ強いと判断するべきという問題作成者の意図があると思われる。