小児科診療 発熱編
発熱初日〜2日は風邪と言わざるを得ない!
37〜38度台の発熱で外来受診した場合には、一番の鑑別に上がるのはやはり風邪症候群である。
この場合は風邪らしさを聴取する。
聴取内容
・いつからの発熱か?
・ご飯、水分は取れているか?(水分取れていない、2食分以上食べていない場合は点滴考慮)
・咳嗽・鼻水などの随伴症状はないか?(あればより風邪らしい)
・家や学校などで流行している病気はないか?
・咳嗽がない場合はインフルエンザウイルス(鼻にキット挿入)アデノウイルス(咽頭にキット挿入)、溶連菌感染咽頭炎(咽頭にキット挿入)などを鑑別にこれら3つの迅速検査を行う。
・咳嗽がある場合はRSウイルスなどの可能性を考えRSウイルス迅速検査(鼻にキット挿入)などを行う。
本人がそれほどしんどくなさそうであれば血液検査、点滴の必要はないと判断する。
・体重は何キログラムか?薬処方で必要となってくる。
・溶連菌感染であれば抗菌薬処方(学校感染症に基づいて登校できない期間がある)
・インフルエンザであればタミフル、イナビルなどを処方
・その他なら対処療法を行う。
そして3〜4日後までに改善がなければ開業医でも同じ病院でも受診していただくように説明する。
つまり初回受診の場合は風邪と診断しているわけではないが、風邪の可能性が最も高く3〜4日経過しても症状が改善しなければ風邪の可能性が低くなるためさらに鑑別していくこととなる。
3〜4日で改善なく医療機関を受診した場合
・まずは血液検査(食事、飲水できていなければ点滴200mlのみなど)
・血液検査で炎症所見が高い→抗生剤点滴、必要に応じて入院(血液検査しか見ないのかという批判は認めます)
・血液検査で炎症がそれほど高くない→ウイルス感染の可能性を考え経過観察(必要に応じて点滴、心配が強ければ経過観察のために入院)
・局所症状が出てきていればその症状にあった鑑別の診断をつけていくと同時に治療。
・局所症状が咳嗽である場合:Xp(肺炎を鑑別に)、マイコプラズマ検査(マイコプラズマPCR)
・局所症状が鼻水である場合:中耳炎を鑑別に(耳鏡)
・局所症状が頭痛である場合:項部硬直、ケルニッヒ徴候など
おまけとして