風邪診療まとめ 発熱+頭痛編
このカテゴリーで見逃してはいけないのが何といっても髄膜炎である。
発熱に加えて今までに感じたことのない頭痛を訴える場合には常に髄膜炎を考えなくてはならない。
しかしその違いは難しくどうゆう場合に髄膜炎を疑って腰椎穿刺を施行すべきかを考える。
ぐったりしている場合や嘔吐を伴ったり、意識障害があるような場合にはより積極的に髄膜炎を疑うがそれ以外としてKernig兆候や項部硬直がある。
髄膜炎を鑑別する上で
Neck flexion testとJolt accentuation of headacheが有用
Neck flexion test:患者さんを材にして顎を胸につけるように指示して痛みでつかない場合は陽性
感度:84% 特異度:48%
Jolt accentuation of headache:患者さんに頭を水平に1秒間に2〜3回ふるように指示して頭痛が増強する場合。
感度:97% 特異度60%
(歩く振動で頭痛が増強するか?という質問でjolt accentuation の代用に用いることも)
しかし上記2つは髄膜炎の否定に使うべきであり陽性であったからといって腰椎穿刺をするべきではない。
結論
・上記の2つの所見が陽性で軽最も辛い症状が頭痛(咽頭痛や鼻水などの感冒症状が目立たない)という患者さんは後部硬直やKernig兆候が陰性であったとしても腰椎穿刺をすることを考慮する。(しても良い)
腰椎穿刺の合併症
・神経損傷などのリスクは0.3%未満
・post spinal headache(腰椎穿刺後頭痛)
無菌性髄膜炎の鑑別
細菌性髄膜炎では髄液糖45未満、蛋白500以上、白血球1000以上でもここまでにならなくてもちょっとした異常であった場合は?
→意識障害や局所神経所見が少しでもあれば血液・髄液培養、髄液ヘルペスPCR検査の結果が返ってくるまでは治療可能なものとして細菌性(+ヘルペス)として対応する。