消化器症状の対処法についてをまとめる
嘔気・嘔吐について
原因、機序まとめ
評価のポイント
・がん患者はがんに対する治療やがん自体によって症状が出ているとまず考えよう。
・まずは原因検索。薬剤、血液検査、身体所見、腹部X線、必要なら腹部超音波、CT、頭部画像検査(MRI)
制吐薬の選択
・最も関与している病態を同定しそれにあう制吐薬を1つ選択する。
・効果がなければ増量、変更、併用を考える。
制吐薬の副作用と対策
・眠気、錐体外路症状が出るので注意。
食欲低下について
はじめに
・原因を検索する
- 食欲低下以外の症状(疼痛・呼吸困難・不眠など)
- 血液検査(電解質異常、微量元素欠乏など)
- 腹部X線、CT、腹部超音波(消化管閉塞、便秘、腹水)
- 口腔の問題(感染、口内炎、味覚障害)
- 嚥下障害
- 胃拡張不全症候群
- 悪液質
- 心理状態(うつ状態など)
ちなみに
悪液質:癌の進行により不可逆性に代謝障害をきたし制御不能の全身浮腫や胸水、腹水などをきたした状態。
胃拡張不全症候群:肝腫大・腹水などにより胃が圧迫されて生じる症状。「食欲はあるが少し食べるとお腹がいっぱいになってしまう」状態。
治療のポイント
・患者の食べやすい食事の工夫
・全身状態を考慮しながら適度な運動とリハビリテーション
・口腔内トラブルはないか検索
薬物療法
・消化管運動促進薬(メトクロプラミド)は食欲を改善させることがある。
あとは六君子湯を使うとか?
食欲低下→輸液療法について
患者・家族が食べられないから点滴してほしいという人が多いが、誤解はしっかりと説明して理解を得る。
(終末期の点滴はかえって胸水、腹水となってしんどくなる可能性もある)
食事への配慮
・できるだけ家族と一緒に食事をする
・持ち込み食べ物許可
・嗜好品や自分の好みの味付けを実践
・食事の時間はこだわらない
・栄養、量にとらわれず食べられるものを食べられる時間に
・匂いがしんどい場合はできるだけ冷ましたものを提供する