とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

がん緩和ケアガイドブック 放射線治療について

適応となる状態

・がん病巣が存在することに伴う疼痛は全ての放射線治療の対象となりうる。

・代表例は有痛性骨転移(60〜90%の症例で痛みの緩和が期待できる)

・治療効果の発言には2週間程度用することが多い。4〜8週で最大になる。

神経障害性疼痛に関しても約半分の症例で有効性が報告されている。

放射線治療は一定時間体位変換ができない(10分など)。そのため疼痛が強い場合はあらかじめ鎮痛コントロールを強くしておく必要がある。

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コンサルテーションを検討するとき

・疼痛の原因となるがん病巣が確認できた時点で放射線治療医への紹介を検討

・その際骨転移には外科的治療が必要となることも覚えておく。

放射線治療歴がある場合でも再度放射線治療の適応となる場合もあり、再紹介も考慮しておく。

治療の実際

放射線治療は3つ 外照射・密封小線源治療・内用療法。

・まずは外照射の適応が検討される

・多発骨転移に伴う複数部位の疼痛で外照射の適応が困難と考えられる場合は放射線同位元素による内用療法が適応となる場合がある。

・有痛性骨転移に対する外照射では症状に応じて8Gy/1Fr、20Gy/5Fr、30Gy/10Fr、37.5Gy/15Frなど比較的短期間での治療が行われることが多い。比較的長期の腫瘍制御が求められる場合にはより長期で高線量の治療が行われることもある。