とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

がん緩和ケアガイドブック 鎮痛補助薬について

鎮痛補助薬の使い方

適応:オピオイドなどの鎮痛薬を増量しても無効、効果不十分なとき

使い方のポイント

・有効率は15〜30%。副作用(主に眠気)があるので鎮痛効果と副作用とのバランスが大事。

・開始後1週間で効果を判定する。1種類の薬剤を副作用に注意しながら増量して効果がなければ他の薬に変更

・末梢神経浸潤、脊髄浸潤などによりビリビリと電気が走る、しびれる・ジンジンするような神経による痛み(神経障害性疼痛)を治療するときに使用するときが多い。

・鎮痛補助薬は現在のところ保険適応がないものが多い。

主な鎮痛補助薬

主な作用機序 薬品種別 薬効分類 代表薬
様々な種類の痛みに ステロイド 抗炎症作用 デキサメサゾン
抗うつ薬 下行抑制系の賦活 デュロキセチン
主に神経障害性疼痛 てんかん ナトリウムチャネル遮断 カルバマゼピン
カルシウムチャネル遮断 プレガバリン
GABA―A作動薬 クロナゼパム
不整脈 ナトリウムチャネル遮断 リドカイン
静脈麻酔薬 NMDA受容体拮抗 ケタミン
骨転移の痛みに ビスホスホネート製剤 破骨細胞アポトーシス誘導 ゾレドロン酸ナトリウム
ランクル抗体 破骨細胞の形成・活性化抑制 デノスマブ
消化管狭窄の痛みに 抗コリン薬 消化管蠕動の抑制 ブチルスコポラミン
ソマトスタチンアナログ 上部消化管分泌の抑制 オクトレオチド