認知症について研修医向けにわかりやすくまとめてみた
認知症について研修医にわかりやすくまとめてみた
認知症の定義
慢性、進行性の脳疾患によって複数の高次機能障害(記憶、思考、見当識、判断等)が障害され、それは意識障害ではない状態。
認知症の診断基準DSM−5 2013年
- 以前に比べて明確な認知機能障害がある
記憶、言語、知覚、注意、実行機能、社会的認知のうち1つもしくは複数の障害。
本人、本人をよく知る人、医療従事者のいずれかの意見
- 認知機能障害が生活の自立の障害になる。
- せん妄の経過と合致しない。
- 他の精神障害では説明できない。
近時記憶障害は加齢に伴い進んでくるものであるが加齢と認知症における大きな違いは、加齢は体験の一部を忘れ、忘れたことを自覚しているのに対し、認知症は体験の全体をすっぽり忘れ忘れたことすらも自覚できない。
その他の症状としては
見当識障害:時間、場所の見当がつかなくなる。
実行機能障害:段取りつけてできなくなる。
視空間失認:位置関係などがわからなくなる。
病態失認:病識がない。物忘れを指導すると怒る。時間を間違えてもけろっとしている。