とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

喘息発作を帰宅させる時の対応

はじめに

喘息発作は当直をしていると稀ならず出くわす疾患の一つであるが、その入院させるか帰宅させるかに悩む場面は多い。今回は喘息発作の救急対応後に患者を帰宅させるときの対応についてまとめる。

喘息発作の入院適応

・高度および重篤の場合

・中等度発作の場合、吸入薬や全身ステロイド治療などで2−4時間の治療で反応不十分あるいは1−2時間の治療で反応なしの場合

・救急受診までに症状が数日〜1周間程度続いている場合

・過去に気管支喘息で入院歴がある場合(重症化するリスクがある)

帰宅させる時の対応

・β刺激薬の吸入は複数回できるが(30分間あけて3回までなど)最終のβ刺激薬の吸入を終えてから1時間以上経過して、症状が落ち着いておりwheezeが消失している場合

・メプチンエアーや経口ステロイドプレドニン®)も処方して帰宅させる(プレドニンは0.5mg/kg/day分を3日〜5日分処方する。体重50kgであれば25mgほど)。メプチンは発作に対して使用するものだがステロイドは予防的投与。

・喘息において特に大事なことは発作の予防である。喘息は可逆的な気管支の炎症と言われていたが、発作を繰り返し起こすと慢性的に気管支の狭窄状態になってしまう。よって長期コントロールで喘息発作を起こさせないことが何よりも重要である。そのことをしっかりと教育してかかりつけ医へ紹介状を記載しつなぐことが大事。