とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

神経

SLRテスト・Laseque徴候・Kernig徴候・Mingazzini徴候について似すぎてて分からないのでまとめてみた

はじめに 下肢の身体診察でよく出てくるこの4つの検査。 調べたところサイトによってはSLRテストとLaseque徴候は同じということが書かれていたり、あるサイトでは違うと書かれていたり書く人によっても解釈が異なるように感じる。これがこれらを混同させる…

脳腫瘍における脳浮腫の軽減(転移性脳腫瘍を含む)

はじめに 脳腫瘍では腫瘍周囲の浮腫があり、これの軽減のためにデキサメタゾンが使用されることが多い。投与により70%の症例で臨床症状の改善が見込まれる。投与開始より24時間以内に神経症状の改善を認めることが多い。 処方例:デキサメタゾン(デキ…

頭部MRI検査でT2スターを撮影することの意味

頭部MRIにおけるT2*(T2スター)撮影の意義 ◯T2スターは微小出血の検出に有用 T2強調画像とは多くの脳病変で敏感に高信号となるが、T2強調画像にはT2スター強調像、水強調画像など様々な撮像方法があり、鉄の見え方や実質のコントラストが変化する。T2スタ…

MRI検査での拡散強調画像での高信号の鑑別

拡散強調像高信号(ADC低信号)の鑑別 拡散強調で高信号(ADCで低信号)となるのは水分子の拡散制限がある状態。 脳梗塞超急性期などが代表的な例であるが、病態としては大きく分けて3通りある。 1,細胞性浮腫 2,粘稠度増加 3,細胞密度増加 1,細胞…

頭部MRIにおける慢性虚血性変化の意義(FLAIRで偶発的に見つかった慢性変化)

慢性虚血性変化とはなにか 頭部MRIでT2強調像やFLAIR画像で脳室周囲白質や深部皮質下白質に高信号病変を呈するものを大脳白質病変という(T1では軽度低信号)。原因は脳症血管病が基盤となっており慢性的な循環不全が持続することにより、脳卒中発症おける…

中枢性めまいに対する頭部MRIの意義(画像検査では脳梗塞は否定できないかもしれない)

中枢性めまいに対する頭部MRIの意義(画像検査では脳梗塞は否定できないかもしれない) めまい患者の対応でいちばん大事なのは脳血管障害による中枢性めまいなのか、それともBPPVや前庭神経炎などの末梢性めまいなのかの鑑別である。 神経診察が最も重要とい…

尿は検査について知識の整理

はじめに 神経内科、脳外科、精神科以外の診療科のドクターには馴染みが薄いと思われる脳波検査。しかし痙攣、高齢者のNCSE(非痙攣性てんかん重積)などの診断、検査としては必要となるだろう。今回は脳波検査に関する知識についてまとめる。脳波検査は通常…