とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

小児科

BCG(Bacillus Calmette-Guerin)接種についてまとめてみた

小児科で必ず実施されるBCGについて おおよそ多くの予防接種はシリンジに針をつけてワクチンを皮下注射するだけであるがBCGは言わずもがなハンコ注射とも呼ばれる特殊な接種方法である。今回はそれについてまとめる。 適応 結核予防のため予防接種法に基づき…

不機嫌:not doing well(なんとなく元気がない)場合 小児科診療

Must rule out 尿路感染症 細菌性髄膜炎 腸重積 頭蓋内出血、骨折 心不全、呼吸不全 ターニケット症候群 血液疾患、代謝疾患 よくある頻度の高い状態・病気 中耳炎 便秘症 皮膚炎などのかゆみを生じるもの Infantile colic 原因不明の非特異的な不機嫌 注意…

小児科診療 発熱編

発熱初日〜2日は風邪と言わざるを得ない! 37〜38度台の発熱で外来受診した場合には、一番の鑑別に上がるのはやはり風邪症候群である。 この場合は風邪らしさを聴取する。 聴取内容 ・いつからの発熱か? ・ご飯、水分は取れているか?(水分取れていない、…

APGARスコアについて医学生向けにまとめてみた

はじめに APGARスコアとは出生直後の新生児の健康状態を表す指標である。 APGARはその頭文字で覚えると良い。APGARの由来はその立案者の名前から来ている。 A: Appearance 皮膚色 P: Pulse 脈拍 G: Grimace (刺激に対する)反応 A: Activity 活動性 R: Resp…

小児科採血で気をつけるべきこと

小児の採血は大人と異なり次のような問題がある。 自制がきかず予測不能の動きをする 採血部位として選択される血管が成人より細い。 循環血液量が少ないため採血量に配慮がいる。 小児の中でも年齢に幅があり、各年齢層で方法を変える必要がある。 採血が心…

BCG摂取の概要 効果・注意点・副作用について

BCG接種の効果 ・BCG接種は適切に行われれば結核の発病を接種しなかった場合の4分の1に抑える。 ・結核性髄膜炎や粟粒結核など重篤な結核の発病予防には効果は確実。 ・効果は10〜15年程度持続する BCGと他の予防接種との間隔 ・生ワクチン(MR、麻疹…

夜間小児科外来 発熱対応編

はじめに 小児科外来では夜間・昼間にかかわらず最も受診する理由が多いものの一つが発熱である。今回は発熱の際に夜間外来で行う対応について概説する。 何を聴取するか? ・いつからの発熱? ・咳嗽・鼻水などの随伴症状はあるか? ある:風邪・ウイルス感…

夜間小児科外来 嘔吐・下痢・腹痛編

はじめに これらが主訴で夜間外来を受診する子供はかなり多い。特に嘔吐は子供には頻繁に起こる。原因は胃腸炎が多いが対応について概説する。 何はともあれバイタルサインが整っていれば浣腸! 浣腸して便の状態を観察するのが一番大切である。そのためには…

夜間小児外来 咳嗽だけある場合

夜間小児外来 咳嗽だけある場合 はじめに 発熱がなく咳嗽のみある場合などは呼吸状態が悪くなければ帰宅できるが、ずっと続く咳嗽は保護者の心配が強くなるため器質的疾患がないか調べて症状緩和してあげる処方が必要となる。 まずはバイタルサインを確認。 …

乳児検診(1ヶ月)

はじめに 1ヶ月健診は多くの母親が初めて小児科医師に出会う機会である。 ・小児科医としては1ヶ月の時点ではほとんど経過観察するものが多く。母親を安心させて帰すことが重要 ・体重増加の目安は20〜50g カルテテンプレート S: 1ヶ月健診。(00ヶ…

乳児検診(3〜4ヶ月)

乳児健診 3〜4ヶ月編 はじめに 早産の場合ワクチンは出生日を基準に接種を行うが、成長・発達については出産予定日を基準に判断する。そのほかに新生児仮死や慢性肺疾患、未熟児網膜症の存在などが発達は成長に影響を及ぼすことがあるので確認する。 保護…

各種ワクチンの特徴とポイント(小児科)

麻疹・風疹(MR)ワクチン 麻疹ワクチンの副反応としては、発熱がもっとも多いものです。20-30%くらいの頻度で、接種後5~14日くらいにみられる。熱性けいれんの体質の方は事前に相談する。注意が必要。発疹(10~20%)も出ることがありますが、いずれ…