とある総合診療医のノート

地方病院勤務総合診療医の日々の勉強・学びのアウトプット

2021-05-19から1日間の記事一覧

小児科採血で気をつけるべきこと

小児の採血は大人と異なり次のような問題がある。 自制がきかず予測不能の動きをする 採血部位として選択される血管が成人より細い。 循環血液量が少ないため採血量に配慮がいる。 小児の中でも年齢に幅があり、各年齢層で方法を変える必要がある。 採血が心…

BCG摂取の概要 効果・注意点・副作用について

BCG接種の効果 ・BCG接種は適切に行われれば結核の発病を接種しなかった場合の4分の1に抑える。 ・結核性髄膜炎や粟粒結核など重篤な結核の発病予防には効果は確実。 ・効果は10〜15年程度持続する BCGと他の予防接種との間隔 ・生ワクチン(MR、麻疹…

夜間小児科外来 発熱対応編

はじめに 小児科外来では夜間・昼間にかかわらず最も受診する理由が多いものの一つが発熱である。今回は発熱の際に夜間外来で行う対応について概説する。 何を聴取するか? ・いつからの発熱? ・咳嗽・鼻水などの随伴症状はあるか? ある:風邪・ウイルス感…

夜間小児科外来 嘔吐・下痢・腹痛編

はじめに これらが主訴で夜間外来を受診する子供はかなり多い。特に嘔吐は子供には頻繁に起こる。原因は胃腸炎が多いが対応について概説する。 何はともあれバイタルサインが整っていれば浣腸! 浣腸して便の状態を観察するのが一番大切である。そのためには…

夜間小児外来 咳嗽だけある場合

夜間小児外来 咳嗽だけある場合 はじめに 発熱がなく咳嗽のみある場合などは呼吸状態が悪くなければ帰宅できるが、ずっと続く咳嗽は保護者の心配が強くなるため器質的疾患がないか調べて症状緩和してあげる処方が必要となる。 まずはバイタルサインを確認。 …

脳腫瘍における脳浮腫の軽減(転移性脳腫瘍を含む)

はじめに 脳腫瘍では腫瘍周囲の浮腫があり、これの軽減のためにデキサメタゾンが使用されることが多い。投与により70%の症例で臨床症状の改善が見込まれる。投与開始より24時間以内に神経症状の改善を認めることが多い。 処方例:デキサメタゾン(デキ…

Bell麻痺やRamsay Hunt症候群でのステロイドの使い方

はじめに Bell麻痺やRamsay Hunt症候群は治療が遅れたり、失敗したりすると顔面神経麻痺などを残す。そのため機能予後の観点から疑えば、経過観察という選択肢はない。しかし治療に際して比較的高用量のステロイドを使用することが多いため治療を躊躇してし…

ステロイドカバーについてまとめてみた

はじめに 1 ステロイド使用者の周術期・急性ストレス期にステロイドカバーが必要な理由は? →内因性のステロイド分泌が抑制されているため 2 ストレス時急性腎不全ではどのような症状、検査所見があるか? →低血糖・ショック、意識障害、電解質異常(低ナ…

二次性高血圧のスクリーニング まずはこれだけ

はじめに 高血圧は多くの高齢者で見られる他、動脈硬化の要因となり多くの生活習慣病への悪影響を与える。 多くは一次性で降圧薬でコントロールするものだが、中には二次性高血圧もあり、治療法など最終的には手術療法の適応となる疾患もでてくる。 二次性高…

乳児検診(1ヶ月)

はじめに 1ヶ月健診は多くの母親が初めて小児科医師に出会う機会である。 ・小児科医としては1ヶ月の時点ではほとんど経過観察するものが多く。母親を安心させて帰すことが重要 ・体重増加の目安は20〜50g カルテテンプレート S: 1ヶ月健診。(00ヶ…